“Reverie sur les couleurs” lyrics by Noriko Yakushiji Le jeu, le jeu, le jeu des couleurs J'emporte délicatement la couleur qui a touché mon coeur Je rassemble dans ma palette secrète les couleurs que tu dessines dans le ciel La couleur dans mon cœur Se reflète dans un miroir instable Plus on la désire Au plus la couleur s'éclaire On peut la toucher quand on veut La couleur imprimée dans mon cœur 『色夢想』 薬師寺典子 色あそび色あそび 心に触れたその色を そっと包んで持ち帰る あなたが空に描いた絵を 秘密のパレットに拾い集める 心の中のこの色は 不安定な鏡に映り 強く願えば願うほど、 色はどんどん鮮明に いつでも触る事ができる 心に刻み込まれた色 ============= 薬師寺さんからこの歌詞を受け取った時、昔訪れたブリュッセルの街や人々の行き交う様子が思い出された。特に市内の特徴的な坂々を行く際に坂の先や道の途中に見えた様々な建物とその視界の上に広がる広い空が歌詞を読み進めるうちに眼前に立ち現れ、すぐにこの曲を思いつく事が出来た。 曲は、 ①5音階旋律を使った変ニ長調の部分(歌詞Le jeu, le jeu〜部) ②変ロ長と変ロ短とト短調の中間のような陰の部分(La couleur dans〜) ③サビとなる明るい変ロ長調の陽の部分(Plus on〜) 上記3つの部分から成っている。 今回は構成や技術面で音楽の可能性を模索するよりも、各部での歌の旋律線やピアノの動きに比較的拘って両国の150年を祝しようと考えた。特にピアノの各部分での伴奏の違いと、歌の二部から三部へ移りである。 Plus on la désireで変ロ長調の地固めをし、Au plus la couleur s'éclaireで緊張を最大限高め、その後6度落とし緊張を柔らげることで、音楽が強くなり過ぎないよう務めた。また全体として作品が安定するよう第三部陽の前に陰を繋ぎ置くことで陽の部がより音楽の側から積極的にこの詩の良さ、思いを引き出せるよう務めた。 思えば音楽に限らずどんなものでも陰と陽は対局のように見えて実は2つで1つの一体不可分なもので、陽は陰を越えて到達するからこそより強く光れると思える。 ベルギーを初めヨーロッパでは昨今難の多い事件が続いているが、この曲のように陰を力とし、この夢想で見た人々の心の中の色を近い将来再び感じる事が出来れば、同国を慕う者としてこの上ない喜びである。